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 本研究の目的はユーザがとった行動を認識し,その 意図を推測したうえで,意図に応じたサービスを提供す ることである.
 現在,コンテキスト・アウェア・アプリケーションとして, ユーザの存在場所や時刻に応じたサービスを提供することが研究されている.また,多種多様なセンサを 使用した,ユビキタス環境においてユーザが携帯できる端末を用いて,ユーザの支援を行なう研究やユー ザのコンテキストを認識する研究が行なわれている. これら人間の行動認識に加えて,過去の行動から現在の行動を推測する研究もされている.そのほかにユーザの行動を認識し,それを用いてユーザの振る舞いに応じたサービスを提案する研究が多数行なわれている.例えば,室内に周囲360度の画像を一度に撮影できる全方位センサを設置した環境で,ユーザの行動パターンをユーザが室内を移動する軌跡から画像処理技術によって抽出するものがある.また,RFID system を利用して,人間にふるまいを指示する研究も行なわれている.
 しかし,人間は各々,癖や習慣を持っている.既存研究は人間の位置や移動履歴を取得するものであり, 個人ごとの特性に基づいてユーザの行動を認識,また は推測するものではない.

そのため上の図に示すように玄関にいるユーザに対して玄関の掃除か,外出かを判断 した後に外出の場合には,リビングを出る際に,忘れ物や電化製品の電源を切り,玄関を出る際にエレベータ を自宅の階に呼ぶといった,種々のきめ細かいサービ スを提供することはできない.このようなきめ細かいサー ビスを提供するためには,ユーザの持つ癖や習慣を考慮した行動の認識,推測を行なう必要がある.そこで,我々はユーザが過去に行なったふるまいを用いて個人 ごとの行動の特徴を抽出し,その特徴を用いてユーザの意図を推測することで,きめ細やかなサービスの提供を実現する.